皆さん「酸化」という言葉を聞かれたことは
ありますよね。
実は肌や体が錆びつく恐ろしい現象なのです。
では「糖化」という言葉はご存じですか?
今、糖化についての研究が進んでいて、
糖化は酸化よりも恐ろしいという認識が広がっています。
今回は、そんな糖化について考えていきましょう。
糖化とは体が焦げること!?
糖化とは体内のタンパク質と余分な糖が結合して、
茶褐色のAGEs(糖化最終生成物)という老化物質ができる現象のことです。
このAGEsという物質は分解されにくい性質を持っているので、
体内に蓄積されると肌はもちろん全身の老化を進行させ、
また様々な病気を招くことが分かってきました。
今までは酸化によるダメージが強調されてきましたが、
最近の研究で、糖化は酸化以上に怖いことが分かってきました。
酸化のことを「体が錆びる」と表現するのに対して、
糖化には「焦げる」という表現が使われます。
お肉やホットケーキに美味しそうな焦げ色がつくのも糖化現象の一つです。
食べ物ならいいですけど、
私たちの肌や体が焦げるなんて考えただけでもぞっとしますね。
糖化の原因はこんなことにあった!
糖化の原因には、次のようなものがあります。
①糖の摂りすぎ
一番の原因は糖の摂りすぎです。
糖は本来悪者ではなく、
体や脳が正常に働くために欠かせない栄養素です。
しかし必要量以上の糖を摂取すると余分な糖が体内のタンパク質と結合し、
そこに体温による熱が加えられて糖化を引き起こすのです。
②電子レンジの多用
AGEsは体内で作られるだけでなく、実は食品自体にも含まれています。
その量は肉類が最も多く、
魚や植物油、チーズにもたくさん含まれています。
そのAGEsは高温で長く調理するほど増加していきます。
茹でたり煮たりするよりも油で揚げる方がずっと増加し、
電子レンジは高温になるので
電子レンジで温め直す度にAGEsの量が急増していくことになります。
怖いですね。
③運動不足や睡眠不足
運動によって筋肉中の糖も消費されますが、
運動しないでいると余った糖がどんどん糖化され
AGEsの蓄積を招きます。
また睡眠が不足すると血糖値を下げる働きをするインスリンの効果が下がり、
その結果糖化が進行します。
④紫外線
紫外線は体内で活性酸素を発生させ、
酸化を進めて肌を老化させるとても怖いものですよね。
しかし何と、酸化が進むとそれに応じて糖化も進行するのだそうです。
糖化がもたらす悪影響とは?
①糖尿病
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンの量が減ったり、
機能低下を起こしたりして、
血液中のブドウ糖の量(血糖値)を下げることができなくなる病気です。
血液中のヘモグロビンが余分なブドウ糖と結びついて糖化すると、
ヘモグロビンA1Cという物質ができます。
これは、AGEsに変化する一歩手前の物質です。
糖尿病が怖いのは、網膜症や腎不全、神経障害などの
合併症を引き起こすことです。
②アルツハイマー病
脳内のタンパク質が糖化すると
ベータアミロイドという物質ができます。
これが脳内の組織に沈着し神経細胞を死滅させることで
アルツハイマー病を引き起こします。
アルツハイマーの患者さんの前頭葉には
健常な人の3倍以上のAGEsが蓄積しているというデータもあります。
③動脈硬化
血管を作っているコラーゲンが糖化すると
血管の弾力が失われ、また血栓もできやすくなり、
動脈硬化の原因になります。
動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞など
深刻な状態を引き起こすこともあります。
④骨粗しょう症
骨にもコラーゲンが存在していますが、
そのコラーゲンが糖化されると骨がもろくなり、
また骨の新陳代謝も遅れるので骨粗しょう症になります。
軟骨がすり減ると関節炎になります。
⑤白内障
レンズの役割を果たしている水晶体は
クリスタリンというタンパク質でできています。
このクリスタリンが糖化されAGEsが蓄積すると
水晶体が変色し白内障になります。
困ったことに、他のタンパク質と違い、
クリスタリンは新陳代謝されないので、
AGEsはどんどん蓄積されていくのです。
⑥肌の老化
従来、肌老化の原因は酸化だと言われてきましたが、
最近の研究で、糖化は酸化よりも
怖いものだと分かってきました。
真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンもタンパク質なので、
それらが糖化されると硬くなり
肌の弾力が失われてしわやたるみができます。
また表皮の一番外側の角質層にある
ケラチンというタンパク質が糖化されると褐色になり、
肌の黄ぐすみの原因になります。
さらに糖化によって栄養が十分に行き渡らなくなると
ターンオーバーが遅れ、
肌の生まれ変わりができにくくなるので
シミやしわ、たるみなどの肌老化が進んでしまいます。
糖化を防ぐためにやれること
知れば知るほど怖い糖化ですが
糖化を防ぐためには以下のようなことが有効です。
①野菜から食べる
数年前に「食べ順ダイエット」というものが流行りましたが、
食べ順に気をつけることはダイエット目的でなくてもとても大切なことです。
まず野菜を食べましょう。
すると野菜の食物繊維が糖の吸収スピードを抑えてくれます。
次に肉や魚、最後にご飯やパンを食べましょう。
こうすることで体が高血糖でいる時間を少なくすることができ、
糖化の予防につながります。
②1日3食
食事を抜くと血糖値が低い状態が長時間続くことになります。
すると次に食事をした時に体が糖を摂らなくてはと判断し、
血糖値の急激な上昇を招きます。
今度はその血糖値を下げるために
インスリンが大量に使われることになり、
結果的に糖化を促進させます。
③血糖値の上がりにくい食品を選ぶ
食事をすると、その直後から血糖値がぐっと上がります。
その時に糖の吸収をなるべく抑えることが大切です。
白米よりも玄米、
パンだったら全粒粉でできたものの方が
血糖値が上がりにくいので
一日に一食はそういうものを選んで食べましょう。
それから炭水化物を摂りすぎないようにしましょう。
成人男性でも
一食のご飯の量はお茶碗一杯(約150g)にとどめましょう。
④食後に軽い運動を
以前は、食後はすぐに動かない方がよいとも言われていましたが、
食後1時間以内は血糖値が最も上がる時間です。
糖化を防ぐためには
食後に軽い運動をすることをおすすめします。
運動まではできなくても、
いつまでもゆっくりしていないで
さっと次の仕事に移ることが大切です。
まとめ
糖化の怖さとその対策法、分かっていただけましたか?
いつまでも若々しく元気で暮らしたいのはみんなの願いです。
私の知人は、上に書いたことを毎日真面目に続けて
何と糖尿病から脱出しました!
始めるのに遅いということはありません。
自分を焦げつかせないために、
どうぞあなたも糖化防止を意識して
健康な毎日をお過ごしください。
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