コレステロールの正体は一体なんなのでしょうか…
体に良いのか悪いのか…
必要なのか不必要なのか…
今回はそんなコレステロールについて詳しく説明し、
コレステロールと上手く付き合うために大切なことをお話しします・・・
1.コレステロールっていったい何?
コレステロールという言葉、聞いたことのない人はまずいないでしょう。
しかし、その正体はご存じですか?
コレステロールは、実はステロイドの仲間です。
ステロイドは痛み止めや筋肉増強剤で使われていますが、
実は、生体内で様々な機能を果たしている物質なのです。
ロールという語尾はアルコールっぽい構造であることを示しています。
さらに、「コレ」は胆汁の意味。最初は胆石から見つかったためです。
つまり、コレステロールというのは、
「胆汁で見つかったステロイドの仲間で、アルコールっぽい構造の物質」
というのが本来の意味です。
2.コレステロールって体内でどういう仕事をしているの?
コレステロールというと「悪い奴」というイメージが強いですが、
実は体内ではとても重要な役に立つ物質です。
まず、人間を含め生き物は細胞からできているわけですが、
動物の細胞膜には必ずコレステロールが含まれています。
従って、コレステロールは身体中に含まれていますが、特に神経に多く存在します。
体内に含まれるコレステロールのうち4分の1以上は脳内に含まれています。
3. 脳や神経の働きにはコレステロールは必須
具体的には、神経では絶縁膜の役割を果たしています。
実は、神経では電気信号が走っているのですが、
電線でもカバーがないと電気が伝わらずに漏電してしまいますよね。
コレステロールはそのカバーの働き(実際はそれ以上ですが)をしています。
また、神経以外でも、コレステロールがないと細胞膜がきちんと機能を果たせないので、
人間などはあっという間に死んでしまいます。
さらに、コレステロールは胆汁酸というものに変化します。
胆汁から見つかったのはこのためです。
胆汁酸は胆嚢から腸内に分泌されて脂肪の吸収を助けています。
コレステロールは脂肪の吸収には必要不可欠なのです。
不足するだけでも下痢になってしまいます。
さらに、コレステロールは、ステロイドホルモンとしても役立っています。
ステロイドホルモンの機能を真似たものが、
人工的なステロイド剤として痛み止めや筋肉増強剤で使われていますが、
生体内のホルモンの多くはステロイドホルモンです。
「コレステロールは実は役に立つ物質である」――この点だけは覚えていってください。
コレステロールが悪役扱いされるのはかわいそうでなりません。
4.コレステロールの規準値は?~高いとどうなるの?
これほどの働き者であるコレステロールが悪者扱いされているのは、
血中コレステロール値が健康のバロメーターとして使われているからです。
よく知られているように、
コレステロールには悪玉コレステロールと呼ばれているものと
善玉コレステロールと呼ばれているものがあります・・・
と、しかし、これ、実は間違いなのです。
コレステロールには、実は、善玉も悪玉もありません。
コレステロールは、肝臓から全身(末梢)に運ばれていくのですが、
そのときのかたちが
通称悪玉コレステロールであるLDL(低比重リポタンパク)コレステロール複合体、
逆に筋肉などから肝臓に運ばれていくときのかたちが
通称善玉コレステロールであるHDL(高比重リポタンパク)コレステロール複合体なのです。
ここでいう複合体とは、コレステロールがタンパク質とくっついた状態です。
つまり、タンパク質という“乗り物”込みで
中央(肝臓)から地方(末梢)に行くコレステロールが
通称「悪玉コレステロール」というもの。
そのほぼ反対が「善玉コレステロール」と呼ばれているのです。
下り電車と上り電車のようなものですが、乗り物が違うのでその区別ができます。
日本人の成人のコレステロール値の基準値は、総コレステロール値で、
130~200mg/dlが正常値
200~220mg/dlが境界値
220mg/dl以上が高コレステロール血症とされています。
また、LDLコレステロール値は、160mg/dl以上では良くないとされています。
コレステロール値が上がると、アテロームと呼ばれるものが血管の内側にたまっていきます。
これは動脈硬化の原因になります。
動脈硬化は血管の老化とも言うべきもので、
血管内を血液が流れなくなる脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。
糖尿病だと手足が壊死したりします。怖いですね。
また、肥満の原因になる脂肪として「中性脂肪」があります。
この中性脂肪が増えるとLDLコレステロールも増えることがわかっています。
5.コレステロール値を下げるにはどうしたらよいの?
コレステロール値を下げるには、いろいろな方法がありますが、
食べ物が大事であることは容易に想像がつきますよね。
コレステロールを多く含む食品の代表は卵黄です。
100g当たり1.4g程度ものコレステロールを含みます。
当然ながら、全卵でも含有量は多いですし、
その他の卵、例えば、いくら、すじこ、めんたいこ、キャビアにも
たくさんのコレステロールが含まれています。
また、レバーは牛、豚、鶏のどれでも多いですし、
イカやエビ、ウニもたくさんのコレステロールを含みます。
つまり、コレステロールを多く含む食品はほとんどおいしい食べ物です。
卵類もそうですが、本来、身体には必要な物質だからおいしいのですね。
もっとも、コレステロールは人間の体内で合成しています。
体内で合成してせっせと合成しているのに、
ちょっとばかり食べ物から摂取する量を減らしてもそんなに意味はないのかもしれません。
むしろ、コレステロール値を下げる食べ物を食べた方がよいでしょう。
例えば、青魚に含まれるDHAとEPA、
野菜(特にキャベツやブロッコリーなどアブラナ科の野菜)や
トマトに含まれるリコピンなどはコレステロール値を下げる物質です。
また、食物繊維はコレステロールを体外に排出するのに役立ちます。
さらに運動、特に有酸素運動も有効です。
あとは、できたらサプリでも下げたいですよね。
おすすめサプリとしては、DHAやEPAを含むサプリがたくさん出ています。
これらの物質は頭の働きもよくするので本当にお勧めです!
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